優しい心を育むカトリック教育

2019/01/11

3学期始業式

8日から3学期が始まっていますが,あっという間に数日が過ぎた感じです。

冬休み中に大きな事故などもなく,始業式に皆が揃うことが何よりもうれしく安心します。

始業式ではこんな話をしました。

 

「明けましておめでとうございます。皆さんはどんな冬休みを過ごしましたか。受験生である高校3年生,中学3年生の人たちはきっと勉強を頑張ったでしょう。クラブ活動で頑張った人も多いと思います。吹奏楽とハンドベル部はクリスマスコンサートを何ヶ所かで開きました。また,遠征や練習で頑張った人もいます。そして,クリスマス,お正月と楽しいイベントが続きました。さあ,その楽しかった冬休みは終わりました。

3学期の始業式は,新年の決意を改めて意識する日です。私は3年前にせめて月2冊の本を読むことを決心して,昨年やっと年間31冊読めました。印象に残っているのは,赤塚不二夫に関係する本を何冊か読んだことです。皆さんの世代は知らないかもしれませんが,「天才バカボン」や「おそ松くん」を描いた漫画家です。実は,私は「天才バカボン」が大好きで漫画本も全巻持っていますし,テレビで放送されたDVDも全巻持っています。

今回,読むきっかけになったのはNHKで放送された土曜ドラマ「バカボンのパパよりもバカなパパ」を観たことです。これは娘の赤塚りえ子さんが書いた同名のエッセイをドラマ化したものです。漫画の世界もハチャメチャなら実生活もハチャメチャだったそうです。でも,赤塚不二夫は誰からも愛される魅力を持っていました。きっと私はこのハチャメチャさが好きで,それに憧れているのだと思います。

ところが,続けて赤塚不二夫自身が書いた本を何冊か読んで驚きました。実に端正な文章,美しい日本語で,その漫画からも実生活からも想像できない世界なのです。当たり前かもしれませんが,土台にしっかりとした基礎があるから,その上に自由な世界を築けるのです。また,計り知れない努力があるから,その上に人がまねることのできない独自の世界が築けるのです。

赤塚不二夫の端正な文章を読んだ驚きは,初めてピカソの習作時代の写実的な絵画を見た時の驚きに似ています。ピカソもしっかりとした基礎があったから,形を壊していくことができました。私たちもこの二人から学ぶことができます。最初からハチャメチャだけでは本物にはならないのです。基礎を積み上げる努力があってこそ,そこから自由で独自の世界が生み出せるのです。

さて,今年の私の決意は何かと言うと,昨年は健康元年にしたいと言いました。体重は減りませんでしたが,健康元年らしいことはいくらか取り組めたと思います。だから,今年はその2年目としてさらに健康に気を配りたいと考えました。昨年も言いましたが,私たちの命も体も健康も才能も神がタダでくださったものです。私たちの人生はそれをどう使うか,どう大切にするかを問われています。それらをただ自分の幸せためだけに使うのか,人のために生かすのかを問われています。この1年,皆さんもそれを意識して日々送ることを心から願います。」