優しい心を育むカトリック教育

2019/12/22

BULLETIN 12月号 「Kenmei Christmas Tableaux」

今年も「クリスマスタブロー」は,午前午後の2回公演をしました。午後には,賢明小学校や幼稚園の児童,園児をはじめ,保護者や一般の方を合わせて300名以上の皆さんが来てくださいました。来場してくださった方々から感動したという声を沢山いただき,いつか堺で一番多くの皆さんが集うクリスマスのお祝いになるのも夢ではありません。ここまで完成させるために,どれだけの時間をキャストやスタッフが使ってくれたかと思うと感謝の気持ちでいっぱいです。

朝のタブローでは次の話をしました。

来日された教皇フランシスコはイエス・キリストのことを「最も隅に追いやられた人」だと言いました。馬小屋で生まれたことはそのことをよく表していると,待降節ロウソク点灯式で私は話しました。今,世界は「〇〇ファースト」という自分たちが一番,自分たちだけがよければいいという考えが広がっています。しかし,賢明学院で学ぶ皆さんは,それは間違っているとはっきり主張してほしいです。自分や自分たちだけがよければいいのではなく,「最も隅に追いやられた人」に気付き,心に留め,行動してください。今年も沢山の人が,お米一握り運動に協力してくれました。それは,日本の社会で隅に追いやられた人たちに届けられます。ありがとうございました。最後になりましたが,今年も奉献会から皆さんにクリスマスプレゼントをいただきました。感謝の心を忘れないでください。

午後のタブローでは次の話をしました。

今年,私たちの記憶に残る3人の方がおられます。一人は来日された教皇フランシスコ,2人目は永年アフガニスタンのために働き,12月4日に襲撃され命を落とされた中村哲さん,最後は,10年間国連難民高等弁務官を務められ,10月22日に亡くなられた緒方貞子さんです。3人はクリスチャンというだけでなく共通した点があります。一つは「上から目線でない」ことです。教皇は13億人のカトリック教徒の頂点に立つ人というより,苦しむ人悲しむ人のそばに寄り添う一人の人間として,静かな語り口で心に残る言葉を沢山語られました。中村さんもアフガニスタンでは「カカ・ムラド」(ナカムラおじさん)と呼ばれ,親しまれていたそうです。緒方さんも難民救済のために世界を巡る現場主義で,苦しむ人と同じ地点に立つことを大切にされていました。もう一つは3人とも「とことん,いのちを大切にした」ことです。教皇の来日テーマは「すべてのいのちを守るため」でした。中村さんと緒方さんがいのちを守るため,救うためにどれだけ努力されたかは皆さんもご存知です。では,この3人の生きる姿勢はどこから来るのでしょう。それは,イエス・キリストに倣うことだと思います。救い主であるキリストは,最も貧しい者として馬小屋でお生まれになりました。そして,当時の社会で見捨てられた人たちのいのちを救うために働かれました。まさに3人のお手本です。私たちも3人のようにできなくても,イエス・キリストに倣う者となりたいです。

この公演後に呼びかけた193(いくみ)募金は約41,000円集まり,先日校内で生徒会が集めたお金を加えて,50,032円を送金しました。ご協力に感謝いたします。

最後になりましたが,よいクリスマスと新年をお迎えください。

 

追記 お米一握り運動で39キロのお米が集まりました。こちらもご協力に感謝します。