優しい心を育むカトリック教育

2021/03/31

BULLETIN 3月号 「校長ブログ」

BULLETINの発行が学期に1回,年に3回と減ってしまいました。現在,学校からのお知らせはKENMEI.infoによる配信で行っています。それだけでは学校の様子がよく分からないとお感じになっている保護者もおられるかもしれません。ホームページを見ても更新されていないしと不満に思っておられる方もおられるかもしれません。そんな中「校長ブログ」が,4年半学校の様子をお知らせしてきました。ホームページのバナーから見ていただくことができます。他の仕事に追われ更新に間が開くことはありますが,賢明の情報はこれを見ていただくのが一番だと考えています。そこには卒業証書授与式の式辞なども載せていますが,今日は本日行われた「年度修了式」の式辞の一部をBULLETINに載せたいと思います。

 

2020年度の修了式を迎えました。振り返れば2020年度は新型コロナウイルスに翻弄された1年でした。コロナ禍の影響で一番残念だったのは,多くの行事が中止になったことです。特に体育大会,秋麗祭,クリスマスタブローができなかったことは皆さんの想い出のページをずいぶん少なくしてしまいました。そんな中,皆さんや先生方のアイデアとパワーで実現したものもあります。最近では「賢明オリンピック」がそうです。そこでは皆さんの笑顔があふれていました。皆さんの生き生きとした姿が見られて本当にうれしかったです。

さて,先日,コロナ禍についてある神父様からこんな話を聴きました。新型コロナウイルスの出現は地球の悲鳴だと言うのです。そのような表現は今までにも聞いたことがありましたが,それに続く言葉に驚きました。がん細胞である人間に対する悲鳴だと言われました。がん細胞が人間をおかし,死に至らしめることがあるのと同じように,人間が地球を痛めつけ破壊していく,それに対する悲鳴です。人間をがん細胞にたとえる話を聴いたことなかったので少しショックでした。そんな表現をしなくてもいいだろうと思いました。しかし,よく考えてみると私たちが地球を死に追いやっていないと断言できるでしょうか。

皆さんはNHKスペシャルで3回放送された「2030 未来への分岐点」という番組を見たことがありますか。今,私たちは新型コロナウイルスのパンデミックだけでなく,世界規模の課題に直面しています。その中からこの番組では「地球温暖化」「人口爆発と食糧問題」「プラスティック汚染」を取り上げ,その現状と私たちが今後どのような選択をしていかねばならないか問いかけています。「分岐点」と言われる2030年までの10年間に自分たちの生活を見直し,そのライフスタイルを変えていかなければ取り返しのつかない未来になると警告しているのです。すでに始めている行動もあります。ビニール袋の有料化でマイバックを用意するなど,使い捨てを止めることの動きが起こっています。

賢明学院は建学の精神に「世界の平和と発展に自ら貢献できる人間を育成する」と謳っています。ここでいう「発展」とは何でしょう。それはSDGs (持続可能な開発目標)を実現することです。実は, SDGsも2030年を目標にしています。10年後これでよかったと言える選択と努力を重ねてください。

最後にもう一つ,これもコロナ禍の影響で保護者対象の「年度末報告会」ができませんでした。その時に配布する予定だった学校評価に基づいたPDCAのプリントをKENMEI.infoで配信します。生徒の皆さんにも見てほしいですが,保護者の方にも必ず見てもらってください。そのプリントでも分かるように,今年もアンケート評価が上がり,ほとんどの項目で目標値に近付いています。つまり,皆さんがどんどん賢明生らしい賢明生になっているということです。本当にうれしく感じています。

4月,全員が元気に登校できることを,平常の学校生活を続けていけることを心から願って私の話は終わります。