優しい心を育むカトリック教育

2019/07/08

BULLETIN 7月号 「賢明生の姿」

6月は高Ⅱフランス研修旅行の引率に始まり出張が多かったことと,月の終わりにサミットによる休校があったことなどで,私自身が学校にいた時間が少ない1ヶ月になりました。その間の行事で毎年取り上げていますが,研修旅行のことを書きたいと思います。連日、ホームページに報告を書きましたし、校長ブログでも触れましたので読んでくださった方もあるかもしれません。そこにも書きましたが,一番印象的だったのがルルドの初日,聖ピオ10世地下大聖堂での出来事です。大聖堂に入ると,ちょうどミサが始まるところでした。最初は外周のスロープで見るだけでしたが,先頭の生徒が係の人に導かれて椅子席へ向かいました。そうすると引率の教員が唖然としている中,生徒たち全員が席に着きました。それは誰に強制されるわけでもなく,自然に祈りの空間に加わって行ったのです。千人を超す世界各地からの巡礼者と共に祈りの中にいました。賢明生として沁みこんでいる宗教教育が,ルルドの地で巡礼者と同化した姿を見せてくれたのだと言葉にならない驚きと感動がありました。もちろん、プライベートミサやロウソク行列でも賢明生らしい姿を見せてくれましたが、地下大聖堂での出来事は予期していなかっただけに心に残りました。それにしてもカトリック最大の巡礼地ルルドは不思議なところです。例年も生徒たちが研修旅行で一番印象深い訪問地だと言いますが、そう思わせる力があるのです。

 

もう一つ取り上げたいのは体育大会です。今年の大会は先生方の報告を読んでいても,観戦のマナーがよかったことがまず挙げられます。選手としては今までも全力を尽くす姿を見せてくれました。最初の50メートル走から始まり,各種のリレー,10人11脚,大縄跳びなどどの競技もTHE BESTの精神そのものでした。これに真剣な応援が加わり,変な表現ですが実に気持ちのよい体育大会になりました。中でも力を振り絞ったと感じたのは,ロープを引き合って自分の陣地まで持ってくる競技です。女子も男子もすごい迫力でした。怪我をしないようにと願いながら応援するのですが,今年は負傷者も少なくその点でもよかったです。高3の集団演技は今年も見事なパフォーマンスを見せてくれました。この達成感を感じることも賢明生の姿として大切なことです。演技を終えて退場した時に生徒たちは雄叫びを挙げていましたが,皆でやり遂げた経験は宝物です。それから,忘れてはならないのは気持ちよく運営の手伝いをしてくれたクラブ員です。先生たちの協力とこの生徒たちのサポートがあるからこそ,運営が年々スムーズになっています。賢明生全員で作り上げた想い出に残る体育大会でした。