優しい心を育むカトリック教育

2017/12/19

Silent Night

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去年はクリスマスの記事を何回かブログで紹介しましたが,今年は学院長先生がシリーズで書いておられるので触れずじまいでした。

でも先月21日に,クリスマスの飾りつけを今年も紹介しますと書いたので,一度も触れないままというのはと思いました。

 

今日,クリスマスタブローのリハーサルを観ながら,こんなことを考えていました。

人類の歴史の中で最も大きな出来事は,やはりクリスマスだろうと。

もちろん,これは信仰に関わることですから,全員に肯いてもらうことはできないでしょう。

しかし,キリスト教の信仰から言えば,イエス・キリストの誕生は神が人間となってお生まれになったのです。

他に比べようのない歴史のエポックです。

ところが,その救い主の誕生は,Silent Nightに世界の片隅でひっそりと起こりました。

ニュース速報が出るわけでもなく,号外が出るわけでもなく,ごく一部の極貧の人たちに知らされるだけで。

 

イエスの誕生が,聖書に書かれている通りかは分かりません。

しかし,ルカ福音書の誕生物語を読むと,私はイエスの人生と生き方の姿勢がここに凝縮されていると強く感じます。

母の胎に宿ったことが,決して周りの人から祝福されたのではないこと。

でも,キリストはこの母を選んだのです。

この母なら,「おめでとう,恵まれた方」(ルカ1:28)という天使の挨拶を素直に,そして深く受け止めてくれるだろうと。

「身ごもっていた,いいなずけ」(ルカ2:5)との旅を,すべて神に委ねきったこと。

旅の不安を,若い二人が感じなかったわけはありません。

そして案の定,「彼らには泊まる場所なかった」(ルカ2:7)こと。

どんなに焦り,やるせない気持ちだったでしょう。

子どもが生まれてくるのに,ふさわしい場所がありませんでした。

「布にくるんで飼い葉桶に寝かせた」(ルカ2:7)こと。

どこまでも静かな夜,糞尿の臭いがする場所で神がお生まれになったのです。

最も貧しい姿で。人々に「仕えられるためではなく仕えるため」(マタイ20:28)に来たことを明確にするために。

そして,「民全体に与えられる大きな喜び」(ルカ2:10)の知らせが,野宿する羊飼いたちに伝えられたこと。

誰からも相手にされない最も貧しい者にだけ,喜びの知らせが伝えられたのです。

いやもしかして,神を賛美する大群の天使の声にその人たちだけが気付けたのかもしれません。

何故なら,「飼い葉桶の中に寝ている乳飲み子」(ルカ2:12)を救い主として受け入れられるのは,この曇りない目を持つ羊飼いたちだけだからです。

「貧しい人々は,幸いである。神の国はあなた方のものである」(ルカ6:20)

 

さて,最初の写真の紹介をします。

1枚目から,中高1階廊下の,リヴィエホール・エントランスの,チャペルの,小学校正面玄関の馬小屋です。

あと6日でクリスマスです。

今年のクリスマスは,Silent Nightを意識したいと思っています。